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こんにちは。
卵の価格が上がり、電気代の高騰が続き、
他にも少しずついろんな値段が上がっています。
日々の生活に関係するところですが、
なぜ起こるのか、
どうやって値段が上がっていくのか、
ご存知でしょうか。
今回は、物価についてお話します。
物価とは何でしょう?
「近ごろは物価が高い」
「物価高で生活が苦しくなってきた」
というように「物価」という言葉を
使っていますが、そもそも「物価」とは何でしょうか?
経済学者の岩井克人氏は、
著書『ヴェニスの商人の資本論』(筑摩書房、1985年)の中で、
物価とは「蚊柱(かばしら)」である、と表現しています。
蚊柱とは、夏の水辺などで、
蚊がひとかたまりとなって飛び交っているさまを
指しており、遠くから見れば柱のように見えることに由来しています。
蚊の集団も千差万別で、すごいスピードで動くもの、
ゆっくり移動するものもいるけれど、全体でみればまとまっています。
商品も個々の商品にフォーカスせず、
全体的に見れば1か所にとどまり、物価はそこで決まるのです。
あなたはいつから「物価高騰」を感じるようになりましたか?
1980年代後半の日本は、不動産や株の価格が
驚くほど急上昇した「バブルの時代」でした。
好景気に世間は狂乱し、お金を湯水のように使う、
ちょっと異常な感覚を持っていた時期があります。
そのとき、物価も連動して高騰することが、
経済学者の間では当然のごとく予想されていました。
しかし、インフレ率の上昇は極めて低く、
株価が最大に上がった1989年12月でも2.9%にとどまりました。
「インフレ率」とは、物価上昇の度合いを測る
指標のことで、いわゆる「消費者物価指数(CPI)」の上がり下がりです。
その後、バブルがはじけ、景気が急速に後退した
にもかかわらず、インフレ率は2.5%程度で、
致命的な物価の上昇や下落はありませんでした。
なぜモノの値段は毎日変わらないと思っていたのか?
では、現在の「物価高騰」の原因はなんでしょうか?
「モノの値段はあまり変わらないのが普通」
この無意識な前提の「思い込み」にあるのです。
物価が動かないのは、売り手である企業
(スーパーの商品などがそうですね)が、
価格を動かさなかっただけに過ぎないのです。
物価高騰は今後も続くのか?
近年、「前向きの予想」という考え方が登場しています。
将来、何が起こるか情報を主体的に取得しようというものです。
これまでの経済学の定説では、
過去に起こらなかったことは予想できない、
というスタンスとは真逆の発想で能動的です。
私たちは、それぞれが信じた行動原理と目的を持っています。
一人ひとりの生産性や消費量も違っているので、
自分自身の「マイモデルを持つ」考え方で、
物価高騰に立ち向かう時代になってきているかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
皆様のお役に立てれば幸いです。