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こんにちは。
春になって、暖かくなって、うたた寝することも多くなったり
していませんか。
暖かくなると眠くなる。
お腹が減ると怒りっぽくなる。
条件反射のように、反応してしまうことって
ありますよね。
ふと昔聴いていた音楽を耳にして、
その当時の出来事や感情などを思い出した経験はありませんか。
実は、音楽と記憶には密接な繋がりがあることがわかっています。
具体的に、音楽は記憶にどのような影響を与えるのでしょうか。
その仕組みについてご紹介したいと思います。
認知症の予防・改善に役立つ
音楽を聴くことで昔の記憶が想起されることが多くあります。
これは、聴覚から脳の海馬が刺激され、
音楽とともに長期保存されていた記憶が引き出されることで起こります。
この特性を生かして、医療や福祉の現場では、
回想法を使った音楽療法も取り入れられています。
回想法とは、昔の写真を見たり音楽を聴いたりしながら、
思い出を語り合う療法のことです。
音楽は強い情緒性を持っているため回想を促しやすく、
特に認知症患者は、現在の出来事は忘れやすくても、
昔の記憶は残っている場合が多いため、
音楽回想法は比較的用いやすいと考えられます。
さらに、音楽を聴くことはもちろん、
楽器を演奏したり、歌を歌ったりすることも効果的です。
認知症患者は2つのことを同時に行うことがとても困難です。
しかし、音楽を取り入れることで、
楽器を演奏しながら歌ったり、
歌いながら手拍子を叩いたりするなど、
2つのことを自然と行うことができます。
こうした能動的な活動は、回想とはまた別の刺激を与え、
脳をより活性化させることに繋がります。
記憶力を向上させる
実は音楽には、古い記憶を甦らせる力だけでなく、
記憶力を高める力もあります。
例えば、歴史上の人物や元号などを、
メロディーに乗せて暗記する人が多くいます。
なぜ、音楽を使うことで覚えることができるのでしょうか。
それは記憶の仕組みにあります。
記憶の中でも長期記憶には、宣言的記憶と
手続き的記憶があります。
頭で覚えているのが宣言的記憶、
体で覚えているのが手続き的記憶です。
手続き的記憶は無意識に引き出せる記憶のため、
一度覚えたら忘れることはありません。
この特性を利用し、記憶したいことをメロディーと
結びつけ体で覚えることで、手続き記憶として
残りやすくなるのです。
さらに、スタンフォード大学が2007年に
実施した研究で、音楽は集中力を高める働きもある
という結果を発表しました。
音楽を流すことでその他の雑音が聞こえにくくなる
マスキング効果や、音楽が持つリラックス効果を
利用し集中力を高めることで、
結果的に記憶力も高めることができると言えるでしょう。
このように、音楽は記憶にさまざまな好影響を
及ぼすことがお分かりいただけたと思います。
精神のバランスを整えるだけでなく、
脳を活性化させてくれる魔法のような音楽。
日々の生活に取り入れることで、あなたのQOLを高めてくれることでしょう。
いかがでしたでしょうか。
皆様のお役に立てたら幸いです。